補助ぶれーき！！

誰でも・・何でも・・初めは初心者である・・新米の指導員のI先生は元々、運転がそんなに上手な方ではない・・だが・・不幸にも・・I先生のお父さんが指導員でたまたまリストラで無職となった息子を心配して・・親心から、お前も指導員になれと・・教習所に頼み込んで指導員となった・・だが・・遺伝というものは恐ろしい・・お父さんも指導員なのに運転があまりうまくない・・これはまさしく遺伝以外の何ものでもないと考える！！

運転があまりうまくないので・・指導員試験（審査）も学科は合格できたが・・

運転の方の試験がなかなか受からず・・今度落ちたら・・もう退職という最後の試験で不幸にも・・？　何とか合格した・・

I先生は指導員だが教習中に時々エンストや脱輪をする、そんなI先生であるが・・・

教習所はどこでもそんなに余裕を持ってコースが設定されている訳ではない・・限られたスペースの中で・・バックのコースやS字コース、クランクコースなどが作られている。

この限られたコースの中で、同じ時間に、同じ内容の教習車がその場所に集中してしまうことがよくある・・・

この時間のI先生は・・方向変換、縦列駐車の時間である・・教習開始のベルが鳴り・・

一斉に教習車が動き出す・・・どうもこの時間はバック時間の車が多いらしい・・私もバックであるたくさんの教習車が同じ所に集まってきた・・

いち早くバックの場所を確保して・・教習生と運転を交代していると・・かなり遅れて・・
I先生が自分でハンドルを持ち、バックのコースにやってきた・・

I先生はいつも始まりのベルが鳴ってから動くのが・・かなり遅い・・でも仕方がない・・まだ指導員、初心者であるのと・・実は指導員になって初日に、この始まりのベルが鳴って・・慌てて発進しようとして・・他の教習車に追突した経験がある！・・だからI先生は・・それが理由かは？わからないが・・・ほとんど他の教習車が発進して周りの車が居なくなったのを見はからってから・・動き出すようだ・・・？

こんなI先生・・限られたバックのコースを中々取れない・・！！

この遅れて来た・・I先生・・どこかすぐに空きそうな場所がないか・・探しながら運転しているから、ちゃんと前を見ていない！！・・これ！・・もちろん、わき見運転である！！

普通に考えれば・・町の中の駐車場で・・どこが空いているかなぁ・・と探すのと同じ事なのだが・・・どうもこの時、バックの説明もしながら探していたらしい・・・

I先生・・横見てるなぁ・・と思った瞬間、急に教習車が曲がりだして・・・

ガッシーャン！！　やってしまったぁ・・・大音響と共に・・教習車が方向変換のポールを支えている支柱に激突である・・・！！

この時、慌てたI先生・・そのまま車を降りて状況を見ればよかったんですが・・いきなりバックギヤに入れ急バック・・今度はその激突して折れ曲がった支柱が反対に曲がって！

教習車のボンネットに・・グサッ！！

さらに状況が悪くなって被害が大きくなった・・この一部始終を特等席で見ていたわたし！

もちろんこのままではいかん！！　と判断して・・教習を中断！！

I先生の所に駆け寄り・・I先生大丈夫かぁ？　そのまま動かなくていいし・・じっとしとりやぁ・・と声をかけた・・・！

その時I先生・・・はい！大丈夫ですぅ〜〜と小さな声で・・すいません！
ぶつかりそうになって・・急いで教習生さんが補助ブレーキ踏んでくれたんですが・・間に合いませんでしたぁ・・・すいません・・・！！

あちゃぁ・・・教習生が・・・補助ブレーキ踏んだんかい・・・！！

それでいいのか？　I先生・・補助ブレーキ遅いぞ・・教習生！！

このI先生の名誉のために・・そのあとすぐに・・指導員を退職して・・なぜか？
懲りずに、ほかの教習所に就職し・・１ヶ月でまた２回事故を起こして・・
今は指導員を辞めた事と・・・

その、他の教習所でも、教習生の補助ブレーキが間に合わなかったは言うまでもない・・・